1996年3月23日に公開された映画『トキワ荘の青春』。
この記事では、映画『トキワ荘の青春』をネタばれナシであらすじ・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『トキワ荘の青春』の予告編
手塚治虫さんなど、有名な若き漫画家が集う、「トキワ荘」。彼ら若き漫画家たちは、「漫画少年」の投稿仲間でもありました。そんな彼らが、兄貴的存在である寺田さんを中心として「新漫画党」を結成します。
貧しい生活を送りながらも、共に励まし合い、漫画について語り合う日々を過ごしていました。そんなある日、漫画少年の出版社が倒産してしまい、、。
映画『トキワ荘の青春』のあらすじ(ネタバレなし)
この映画は、実際に手塚治虫さんなどの有名な漫画家が暮らしていたトキワ荘を舞台に繰り広げられる、フィクションを交えて描いた青春映画です。手塚プロダクションが制作に協力しており、そのほかにも赤塚不二夫さん、安孫子素雄さん、石ノ森章太郎さん、鈴木伸一さんらが制作に協力しています。
ロッテルダム国際映画祭招待作品であり、また、1996年キネマ旬報ではベストテン第7位、読者選出第7位に選ばれました。また、大森さんは第11回高崎映画祭最優秀助演男優賞を受賞しています。2021年には、この作品のデジタルリマスター版が公開されました。
映画『トキワ荘の青春』の解説
トキワ荘へと集まった、手塚治虫さんを始めとする若き漫画家志望者たち。彼らは、「漫画少年」の投稿仲間でもありました。ある日、兄貴的存在である寺田ヒロオさんをリーダーとして、「新漫画党」を結成します。
しかし、売れっ子漫画家となった石ノ森章太郎さんや藤子不二雄さんなどと、なかなか目が出ずに苦しんでいる赤塚不二夫さんや森安直哉さんなどで、個々での差が生じてしまい、若者たちの明暗は段々と分かれていってしまいます。
寺田さんも、自らの理想と商業主義との間で思い悩みます。そんな中、雑誌「漫画少年」の出版社が倒産することになってしまって、、。
映画『トキワ荘の青春』のみどころ
この映画の見どころは、登場人物が夢に向かって努力を重ね、仲間と共に切磋琢磨する姿だと思います。才能だけでなく、地道に頑張っている姿が描かれており、漫画家好きな人にとってはたまらない一作でしょう。
私たちは一部の売れっ子漫画家しか知ることはありませんが、ほとんどの漫画家は苦難を重ねながら描き続けている。そんなことを実感させられるストーリーになっています。若き漫画家たちがひたむきに努力を重ねる姿を淡々と、ほろ苦く描いており、当時の昭和独特な雰囲気を感じながら、その当時へとタイムスリップしたかのような感覚に陥ります。
映画『トキワ荘の青春』の感想
この映画は、より知れば知るほど面白い、奥が深い映画になっています。登場人物の抱く夢や葛藤が、リアルながらもドラマティックに描写されています。漫画について、そしてそれを描く漫画家についてもっと知りたくなる、そんな魅力が詰まっています。
漫画が好きな人だけでなく、さまざまな人に是非おすすめしたい一作です。
映画『トキワ荘の青春』の登場人物・キャスト
寺田ヒロオ:本木雅弘
安孫子素雄:鈴木卓爾
藤本弘:阿部サダヲ
石森章太郎:さとうこうじ
赤塚不二夫:大森嘉之
森安直哉:古田新太
鈴木伸一:生瀬勝久
つのだじろう:翁華栄
水野英子:松梨智子
手塚治虫:北村想
映画『トキワ荘の青春』のスタッフ
監督:市川準
脚本:市川準、鈴木秀幸、森川幸治
製作:塚本俊雄、里中哲夫
製作総指揮:増田宗昭、寺尾和明