1971年7月24日に公開された映画『ゴジラ対ヘドラ』。
この記事では、映画『ゴジラ対ヘドラ』をネタばれナシであらすじ・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『ゴジラ対ヘドラ』の予告編
公害が大きな社会問題となっている日本。ある日、駿河湾でオタマジャクシのような生物が発見されます。ヘドラと名付けられたその生物は海中のヘドロや汚染された排煙を吸収しながら成長し、やがて超巨大な怪獣へと進化を遂げました。大好物の汚染物質を求め工場地帯へ上陸したヘドラは、人々に襲いかかります。
1971年公開の「ゴジラ対ヘドラ」は、「ゴジラ」シリーズ第11作品目。ゴジラの生みの親の1人でもある円谷英二さんに代わり、坂野義光さんが監督を務めています。
映画『ゴジラ対ヘドラ』のあらすじ(ネタバレなし)
公害が社会問題となっている日本。特に、駿河湾などの海洋汚染は深刻な問題でした。
ある日、駿河湾で小さなオタマジャクシに似た生物が発見されたうえ、沖合では謎のタンカー事故が相次いで発生。海洋生物学者の矢野徹は、息子・研とともに駿河湾の海中の調査へ向かいます。海中に潜った矢野は謎の生物に襲われ、顔半分に火傷のような重傷を負います。
その時、研もまた謎の巨大な生物を目撃していました。ゴジラが大好きな研によって、ヘドラと名付けられた謎の生物は工場地帯へ上陸。好物の汚染物質を求め、街や人々を襲います。その時、研の呼ぶ声に応じたかのように突如ゴジラが出現し、ヘドラに戦いを挑みます。
しかし、ゴジラの攻撃はヘドラに通用せず。ヘドラは空に飛び立ち、硫酸ミストを撒き散らします。そのミストを浴びたものは苦しみもがき、中には白骨してしまう者もいました。ヘドラの襲撃に、矢野は何か良い方法はないものかと考えますが思い付かず。その間に超巨大と化したへドラは、富士山麓に上陸してしまいます。
映画『ゴジラ対ヘドラ』の解説
これまで「ゴジラ」シリーズを手掛けていた「特撮の神様」こと、円谷英二さんが亡くなられた後、初めて制作された「ゴジラ」シリーズが本作の「ゴジラ対ヘドラ」です。制作期間35日間、これまでのシリーズ作品の予算半分で制作された本作。
「核」がテーマとなっているシリーズ1作目の「ゴジラ」以来、「公害」という社会問題を強く提起した演出が印象的な作品となっています。また汚染物質を吸収することで巨大化し驚異的な強さを見せるヘドラ。別名公害怪獣と呼ばれており、ゴジラファンの間ではカルト的人気を誇るキャラクターでもあります。
映画『ゴジラ対ヘドラ』のみどころ
本作の見どころは、恐ろしくグロテスクなヘドラの姿と脅威的な強さです。
発見当初、手に持てるくらいのサイズだったヘドラ。海に垂れ流しとなっていたヘドロを取り込み、汚染された排煙を吸い込みながらどんどん巨大化し、しまいにはゴジラよりも大きくなります。
また、ヘドラが撒き散らす硫酸ミストは鉄骨を腐食させたり、一般人を白骨化させてしまうほどの威力。ゴジラも苦戦する程の圧倒的な強さを持つヘドラは、「ゴジラ」シリーズ最強の怪獣と言っても過言ではないでしょう。ヘドラを相手にゴジラはどう立ち向かうのか、クライマックスのゴジラとヘドラの戦いは必見です。
映画『ゴジラ対ヘドラ』の感想
テーマ曲の歌詞や、劇中で登場する不気味なアニメなど、公害による環境汚染の危機を訴えているシーンが登場する本作。その独特な演出がとても印象的な作品となっています。
公害に対してのメッセージが強く、大人も見るべき一作と言えるでしょう。
映画『ゴジラ対ヘドラ』の登場人物・キャスト
矢野徹:山内明
矢野研:川瀬裕之
矢野敏江:木村俊恵
富士宮ミキ:麻里圭子
毛内行夫:柴本俊夫
伍平爺さん:吉田義夫
ヘドラ:中山剣吾
ゴジラ・テレビ画面の民衆・下士官(3役):中島春雄
自衛隊幹部将校:鈴木治夫
自衛隊技術将校:勝部義夫
学者:岡部正
民衆:小川安三
巡査:大前亘
下士官:小松英三郎
麻雀をする男:宇留木康二
通信員:由起卓也
ヘリのパイロット:権藤幸彦
若者:中沢治夫
アナウンサーB:渡辺謙太郎
アナウンサーA:岡部達
映画『ゴジラ対ヘドラ』のスタッフ
監督:坂野義光
製作:田中友幸
脚本:馬淵薫、坂野義光
音楽:眞鍋理一郎
撮影:真野田陽一
美術:井上泰幸
録音:藤好昌生
照明:原文良
編集:黒岩義民
助監督:津島平吉
製作担当者:森本朴
監督助手:川北紘一
撮影助手:中尾成雄
スチール:田中一清
特殊技術:中野昭慶
特殊効果:渡辺忠昭
造型チーフ:安丸信行
操演:小川昭二
助監督:田淵吉男
撮影助手:山本武
美術助手:高木明法
合成:土井三郎
光学撮影:徳政義行