映画『砂の女』をネタばれナシであらすじ・みどころを紹介!

映画

1964年2月15日に公開された映画『砂の女』。
この記事では、映画『砂の女』のをネタばれナシであらすじ・みどころ・解説・感想をご紹介します。

映画を観る為の参考になればと思います。

映画『砂の女』の予告編


1人の男が昆虫採集をしようと、海岸沿いの村へとやってきました。男は村人に勧められるまま、深い砂穴の底にある民家に泊まることに。その家には30歳くらいの女が住んでいました。

翌朝、目が覚めた男が帰ろうとすると、外に出る為の縄はしごがありません。村人や女に騙され、男は女の家に閉じ込められてしまったのでした。

日本の小説家・阿部工房の小説を実写映画化した本作。第17回カンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞するなど、海外でも高く評価されました。砂に埋もれた家に閉じ込められてしまった男が何度も脱出を試みようとする様が描かれており、なんとも言えない不気味さがたまらないホラーサスペンス作品です。

映画『砂の女』のあらすじ(ネタバレなし)

海岸沿いの村。1人の男が、新種の昆虫を発見しようとやってきました。村人に声をかけられた男は、勧められるままその村に泊まることにします。男が案内された場所は、深い砂穴の底。

そこには、掘立て小屋のような家があり、夫と娘を亡くした女が住んでいました。男は、その女の家に泊まることに。翌朝、男が目を覚ますと、外に出るための縄はしごがありません。男はあわてて、寝ていた女を起こします。ですが女は口をつぐんだままでした。

女の家に閉じ込められたことに気付いた男は、ありとあらゆる手段を使い外へ出ようとしますが失敗。砂だらけの家での女との生活を、余儀なくされたのでした。

映画『砂の女』の解説

原作者であり、本作の脚本も手掛けている阿部工房。三島由紀夫らとともに、20世紀の日本を代表する作家としてとても有名です。1962年に新潮社から刊行された原作本「砂の女」は、第14回読売文学賞を受賞したほか、フランスでは1967年度最優秀外国文学賞を受賞するなど、海外でも高く評価されました。

その他の代表作には、芥川賞受賞作品の「壁」や世界30数カ国語に翻訳された「燃えつきた地図」などがあげられます。阿部工房の作品は、前衛的・実験的な手法で描かれた非現実的な物語が特徴。その中にも、教訓めいたものも感じ取れる作風に仕上がっています。

映画『砂の女』のみどころ

本作は、砂だらけの家に閉じ込められた男が、ありとあらゆる手段を使い脱出を試みるシーンが見どころです。

逃げようとするたびに失敗してしまう男の姿は、まるで蟻地獄に落ちる蟻のよう。決して逃れることができない砂穴の中で、もがき苦しむところがなんとも恐ろしい作品です。砂をかき出すための人手として、何としてでも男を閉じ込めようとする女や村人たち。

そこに罪の意識は無く、誰一人として男を助けようとする者はいません。絶望的な状況下で、男はどうなるのか?阿部工房が描く、不条理な世界に閉じ込められた男の心情の変化に大注目です。

映画『砂の女』の感想

昆虫採集にやってきた男が、今にも砂に埋もれそうな家に閉じ込められる様を描いた本作。
閉じ込められている状況に、男が次第に慣れてしまうところがこの物語の恐ろしさだと思います。
人間の不条理を描く、阿部公房の奇妙で不可思議な世界に浸ることができる作品です。

映画『砂の女』の登場人物・キャスト

男:岡田英次
女:岸田今日子
村の老人:三井弘次
村人:矢野宣
村人:観世栄夫
村人:関口銀三
村人:市原清彦
村人:西本裕行

映画『砂の女』のスタッフ

監督:勅使河原宏
脚本:安部公房
原作:安部公房
製作:市川喜一、大野忠
音楽:武満徹
撮影:瀬川浩
編集:守随房子

タイトルとURLをコピーしました