映画『ラヂオの時間』をネタばれナシであらすじ・みどころ・解説・感想を紹介!

映画

1997年11月8日に公開された映画『ラヂオの時間』。
この記事では、映画『ラヂオの時間』をネタばれナシであらすじ・みどころ・解説・感想をご紹介します。

映画『ラヂオの時間』の予告編


主婦の鈴木みやこ(鈴木京香)は、ラジオ局のシナリオコンクールで見事優勝します。スタジオ「ラジオ弁天」では、彼女のシナリオを元に生放送収録のリハーサルが行われていました。鈴木みやこが書いたのは、熱海の田舎町に住む平凡な主婦が、地元の漁師と恋に落ちるストーリーです。

ところが、主演の千本のっこ(戸田恵子)の我儘によって、役柄も設定も大きく変更されてしまいます。収録現場は彼女に振り回されるのに加え、様々なトラブルに見舞われるのでした…。

映画『ラヂオの時間』のあらすじ(ネタバレなし)

主婦の鈴木みやこは、緊張した面持ちで「ラジオ弁天」での収録リハーサルに臨んでいます。主演女優の千本のっこは、リハーサル直後に役名を「メアリージェーン」にするよう駄々をこね始めます。

また、ナレーションの保坂卓(並樹史朗)は台本の細かな言い回しの不備を指摘します。その為、プロデューサーの牛島龍彦(西村雅彦)と鈴木みやこは、本番前から不安を募らせていました。主演の役名が洋名に変更されたので、舞台の設定も熱海からニューヨークに変更となりました。

さらに、千本のっこは、パチンコ店員の役柄を弁護士に変えさせます。鈴木みやこは、主演の我儘に振り回されるスタッフを見て呆れます。そして、鈴木みやこの不安が増す中、いよいよ本番が始まるのでした。

映画『ラヂオの時間』の解説

本作は、三谷幸喜主宰の劇団「東京サンシャインボーイズ」の舞台劇が映画化された作品です。因みに、三谷幸喜は当作品で映画監督デビューを果たしています。三谷幸喜自身が、テレビドラマのシナリオを理不尽に書き換えられた経験がありました。本作は、第21回日本アカデミー賞の最優秀脚本賞を受賞しました。

また、第48回ベルリン国際映画祭で特別表彰されています。本作の魅力の一つは、唐沢寿明や鈴木京香、西村雅彦など主要キャストの豪華さです。加えて、ちょい役として宮本信子や桃井かおり等が登場するのも見逃せないポイントとなっています。

映画『ラヂオの時間』のみどころ

本作は、三谷幸喜の原点であるドタバタ劇の傑作です。単なる笑いに留まらず、理不尽な事情に振り回される社会への風刺もあります。また、三谷幸喜は脇役の使い方が絶妙で、マルチン神父(小野武)も良い味を出していました。彼は自分の演技にこだわるあまり、放送中に出番を無くしてしまいます。

その他、本作の見どころとしては、前半に張り巡らされた小さな伏線が、後半では全て笑いに回収されていくことが挙げられます。それは、「警部補 古畑任三郎」で見せた三谷幸喜の緻密なストーリー展開にも通じるものです。そして、現場と役者の板挟みで葛藤する牛島龍彦に対し、観客は哀愁と共感を覚えると言えます。

映画『ラヂオの時間』の感想

作中では、登場人物の何気ない言葉の中に深い意味が感じられます。牛島龍彦は鈴木みやこに対して、人間に想像する力がある限りラジオドラマに無限の可能性があると述べています。彼が心の底からラジオドラマが好きだと分かります。

映画『ラヂオの時間』の登場人物・キャスト

工藤学(唐沢寿明):スタジオ弁天のディレクター
鈴木みやこ(鈴木京香):ラジオドラマの原作者
牛島龍彦(西村雅彦):ラジオ弁天のプロデューサー
千本のっこ(戸田恵子):メアリー・ジェーン役
浜村錠(細川俊之):マイケル・ピーター 及びドナルド・マクドナルド役
広瀬光俊 (井上順):ハインリッヒ役
野田勉 (小野武彦):マルチン神父役

映画『ラヂオの時間』のスタッフ

原作:三谷幸喜・東京サンシャインボーイズ
脚本・監督:三谷幸喜
音楽:服部隆之
製作者:村上光一・高井英幸
企画:久板順一朗・島谷能成
エグゼクティブプロデューサー:松下千秋・増田久雄
プロデューサー:石原隆・佐倉寛二郎

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