1971年に公開された映画『オルエットの方へ』。
この記事では、映画『オルエットの方へ』をネタばれナシであらすじ・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『オルエットの方へ』の予告編
この作品は、ジャック・ロジエ監督の長編第2作です。
退屈な仕事を終えて、待ちかねたヴァカンスをようやく迎えたOLのキャロリーヌはカリーヌ、ジョエルと共にフランス・ヴァンデの海岸沿いにある別荘を訪れることにします。そこでキャンプでテント生活をしているキャロリーヌの上司ジルベールに偶然出会うことから物語が始まります。
映画『オルエットの方へ』のあらすじ(ネタバレなし)
9月に入って、ようやく退屈だった仕事を終えると、ヴァンデの海辺にある別荘へヴァカンスを楽しむために出かけます。キャロリーヌとジョエルとカリーンの女三人は、その別荘で女子だけのとても気ままで自由な休暇を楽しんでいました。
そんなある日、ジョエルが勤めている会社の上司であるジルベールと港で偶然にも出会うのでした。彼は実は、以前からジョエルに想いを寄せています。
そこで彼は、彼女たちがバカンスを楽しむ別荘の庭にテントを張らせてもらうことにするのでした。しかし彼女たちからは実に素っ気ない扱いをされてしまいます。
映画『オルエットの方へ』の解説
「オルエットの方へ」は、1969年に制作されたフランスの映画で、監督をジャック・ロジエが務めています。長編のデビュー作となった「アデュー・フィリピーヌ」でヌーベルバーグにおける重要人物として注目を集めたジャック・ロジエ監督の長編第2作品目にあたります。
16mmで撮影された作品が35mmでブローアップされたことによって、独特の色彩と粒子感が出ていることが特徴の作品です。また、ジャン=フランソワ・ステヴナンが助監督として参加しました。
日本では、2010年1月に東京のユーロスペースにおいて開催された「ジャック・ロジエのヴァカンス」で初上映されました。その後、2016年10月に、シアター・イメージフォーラムで再上映されています。
映画『オルエットの方へ』のみどころ
そんな時、海からの帰り道を歩いていた三人はパトリックという一人の青年と知り合いました。彼と共にヨットに乗ったり、乗馬をしたりいているうちに、三人と親しくなっていくパトリック。楽しそうな彼らを目の当たりにしながら、傷心していくジルベールをよそに、儚くも夏は終わろうとしていました。
三人に素っ気なく扱われ続けたジルベールはパリへと戻ってしまい、さらには現れた青年パトリックの乱暴な振る舞いに腹を立てたカリーヌまでもがパリへと帰って行ってしまいます。
残された二人も、次第に興ざめしていき、再び騒々しいパリへと帰っていくのでした。
映画『オルエットの方へ』の感想
ひと夏の恋や、その夏の物語とは、時に儚いものですが、この映画は、それを独特の色彩や粒子感で表しているように思います。
フランスの海岸という設定も、その美しさや儚さに追い討ちをかけるようではないでしょうか。
映画『オルエットの方へ』の登場人物・キャスト
カリーヌ:フランソワーズ・ゲガン
ジョエル:ダニエル・クロワジ
キャロリーヌ:キャロリーヌ・カルティエ
ジルベール:ベルナール・メネズ
映画『オルエットの方へ』のスタッフ
監督:ジャック・ロジエ
脚本:ジャック・ロジエ、アラン・レゴ
撮影:コラン・ムニエ
編集:ジャック・ロジエ、オディル・フェリオ